ジョブズの世界観で特徴的なのは、なんでも二分してしまう点だ。人は「賢人」か「ばか野郎」しかいないし、その仕事は「最高」か「最低最悪」しかない。
ジョブズが極端な言動に走るのは、他人の感情を思いはかる能力がないからだろうか。そんなことはない。むしろ逆だと言える。ジョブズは感情というものがよくわかっている。他人の心を読むのも、他人の精神的な強さ・弱さ、自身のなさを把握するのもおそろしいほど上手である。
不意をつき、狙いすました一撃をバシンと感情面にお見舞いして揺さぶりをかけることもできる。本当にわかっているのか、そのふりをしているのかも直感的にわかってしまう。だから、おだてたりすかしたり、説きふせたり喜ばせたり、あるいはまた、脅したりすることも名人級に上手なのだ。スティーブ・ジョブズⅠ【書評・レビュー】
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