ジョブズのやり方には、良い点があった。画期的な商品をつくろうという情熱と、不可能に見えることでもやり遂げられるという信念をアップルに社員に植え付けたのだ。マッキントッシュチームは「週90時間、喜んで働こう!」というTシャツを着て働いた。ジョブズは、マックのコストダウンや早期にリリースすることを目的としたトレードオフも却下したが、同時に、一見懸命なトレードオフと勘違いされるような妥協も許されなかった。つまり、圧力が、ためになることもあるということですね。
のちにジョブズはこう語っている。
「優れた人材を集めれば甘い話をする必要はない。そういうものだと僕は学んできた。そういう人は、すごいことをしてくれると期待をかければすごいことをしてくれるんだ。特A+のプレイヤーはそういう人同士で仕事をしたがるし、Bクラスの仕事でもいいと言われるのを嫌がる。そう、最初のマックチームは教えてくれた。そのチームのメンバーなら誰でも、苦労しただけのことはあったと答えるはずだ」
事実、ほとんどのメンバーからそういう答えが返ってきた。デビ・コールマンの言葉を紹介しよう。
「会議のときスティーブは『この大ばか野郎が。なにひとつまともにできんのか』などと怒鳴っていました。しょっちゅうという感じでしたね。でも、彼のところで働けた私は、間違いなく世界一幸運な人間だ、そう思っています」
大前研一さんもマッキンゼー時代にたくさんの部下を抱えていましたが、大前さんがとても怖いというの有名な話でし。しかし今、その部下たちはみな、口をそろえて「あの時のトレーニングが今でも役立っています。どこへ行っても使えます」と言っているそうです。
もう1つ大事なのは”優れた人材”を揃えているところですね。失われたインタビューでジョブズはこう語っています。
真に優秀な人というのは、自分が優秀と知っているから褒めてやる必要はない。一番大事なのは仕事の内容だと分かっているんだ。だから、担当するパートを確実に達成することが求められる。
周囲の人間が、真に優秀で頼れる人に与え得る重要な助言がある。それは彼らの出来が悪い時、きちんと指摘してやることだ。理由を明確にして説明し軌道修正を促してやるのさ。
彼らの能力を疑っているように思わせてはいけない。だが、その仕事に関しては、目標に貢献できていないと分からせる必要がある。簡単じゃないよ。それでも私はいつもダイレクトに伝えてきた。本当にデキる人たちは、それが有益だったと言うはずだ。耐えられないって人もいたけどね。そして何より、スティーブジョブズは批判を良しとしていました。
「海軍に入るより海賊になろう」スティーブ・ジョブズが研修中の社員に訴えかけた言葉です。
この言葉の真意はこうです。どのようなものにも立ち向かう反逆者魂を持ってほしい、むちゃくちゃしながらどんどん先に進む冒険好きになってほしい、自分たちがしていることに誇りを持ちながら、まわりから次々と盗むチームになってほしい。ということです。
つまり、変なプライドは捨てて、なんでもやってみろ。ということです。スティーブ・ジョブズは社員がどんなに素晴らしいアイデアを持ってきても、最初は全てを蹴落としていました。そして、それでも立ち向かってくるアイデアだけを採用するという手法を取っていたのです。
アップルのジョブズと、ソニーの井深大がやっていたアイデアをふるいにかけるたった一つの方法
スティーブ・ジョブズⅠ【書評・レビュー】
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