【大前研一さんの言葉】【大前研一】考える技術【書評・レビュー】
結論を導き出すうえでもっとも大切なのは、「その問題の原因は何か」を明確にすることである。ところがほとんどの経営者やビジネスマンは、問題として見えてくる現象にばかり目がいってしまい、原因の解決に至らないという思考パターンに陥っている。現象はあくまでも現象にすぎず、原因ではない。このあたり前のことがなかなか理解できないのだ。
原因になっている部分を直さないかぎり、問題の解決は望めない。大切なのは「さまざまな現象の中で本当の原因は何か」を考えることなのだ。
営業マンに元気がないからといってみんなで車座になって飲み会をやる。そこで愚痴を言い合って、「じゃあ、明日から頑張っていこう!」と気勢を上げてみたところで、製品そのものに問題があるとしたら、まったく何の解決にもならないことは明らかだ。
最悪なのは、すべての現象を個別に改善しようと考えてしまうことだ。つまり営業マンにハッパをかけ、価格は下げ、なおかつ製品の品質を良くしようとすることである。しかし、価格を下げて製品の価値を高めれば、利益が出なくなって自殺行為になるし、尻を叩かれ続ければ社員は疲れ切り、モチベーションがどんどん下がっていく。原因を明確にしないまま現象を改善しようとして、かえって業績が落ち込む。すなわち負のスパイラルに陥ってしまうのである。
2014年1月24日金曜日
日本の企業が業績を上げられない上、問題解決できないたった1つの理由
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