【大前研一さんの言葉】【大前研一】考える技術【書評・レビュー】
2004年1月に発表された第130回芥川賞で、2人の若い女の子が芥川賞を受賞した。このことで私がすごいと感じたのは、『蛇にピアス』を書いた金原ひとみという子の父親である。なにしろこの父親は、学校にも行かず家にも帰ってこないような娘の文章を、ずっと添削してやっていたという。受賞できたのは「結果オーライ」だが、よくよく考えてみると、そもそも「学校が果たしている役割とは何なのか」ということに思い至る。
世間の親は相変わらず子どもに向かって「先生の言うことを聞くのよ」「宿題やった?」「明日学校なんだから、早く寝なさい」と言っているが、結果から言えば、そこから外れた人間のほうが今の世の中では成功する。なぜなら、学校は現実の価値観の変化にまったくついていけていないからだ。時代遅れの価値観で、21世紀にいちばん役に立たない子どもを作っている。
たとえば『ファンキービジネス』や『カラオケ資本主義』という本が世界的なベストセラーになっているが、これらを書いた大学教授(リッデルストラレとノードストレム)自身がスキンヘッドだし、本の中で紹介されている成長企業の企画会議の姿は、服装や人種も年齢もバラバラで、従来の価値観で見ればどこかのネエちゃん、アンちゃんたちの集まりのようだ。しかし今、世の中はこっちのほうの「感覚」に移っているのである。
--中略--
「今の学校でまじめにやればやるほど世の中からずれてしまう」ということだ。複雑系の答えのない時代に入って、前提そのものが違っているのに、ケインズ経済学を勉強してもダメなのと同じである。今の時代に何よりも必要なのは、今学校で行われているような、答えを出させる教育、覚えさせる教育ではなく、「どうして?」と考えることを学ばせる教育なのだ。
2014年1月25日土曜日
今の世の中で成功する人材教育とは?
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