2014年1月27日月曜日

日本が変われないのは国民のレベルの低さ

【大前研一さんの言葉】

ここまで日本が落ち込んだ失敗の主犯は、もちろん政府と政治家です。しかし、柳井さんが指摘するように「政府が助けてくれるだろう」と期待して、口を開けて餌を待っている池の鯉のような企業や国民も一方的な被害者ではなく、程度の差こそあれ、”共犯”と言えます。

例えば、マスコミが行う「首相にしたい人ランキング」。上位にくるのは、真面目な政策論で選ばれたというより、耳に入りやすいワンフレーズを連呼したり、勇ましいことを声高に叫ぶ政治家ばかりです。

かつては田中眞紀子さんが1位になったことがあったし、自民党を呼び出す前の舛添要一さんがトップだったりもしました。しかし私は、寡聞にして、彼らの口から日本を立て直す新鮮なビジョンも、これまでとは違う具体的な提言も聞いたことがありません。

政治家に怒りを唱える国民は、いくらでもいるが「具体的にどうすれば日本は良くなるの?」という問いに答えられる人はほとんどいませんね。政治に対する勉強もしないし、政治家を選ぶセンスの無い人ばかりです。相変わらず国民は「キャッチフレーズ」や「マニフェスト」だけを見て、その中身である”政策”には興味がないようです。本当にこのまま1人1票で良いのでしょうか。

右向け右の、この国では、大衆の考えに国全体が流れてしまうようにできています。例えば日本の食品は安全性を求める人と安さを求める人がいるが、ほとんどの人が安さを求める人です。だから、食品に対する価値が歪んで、食品偽装なんてことが起きてしまいます。もちろん食品偽装をする側に罪があることは間違いないですが、値段ばかり見る客を逆手に取られているだけではないでしょうか。今一度、食品の出産地、遺伝子組み換え、化学調味料、安全性に目を向けるべきではないでしょうか。

テレビだって、そうです。食べ物を粗末にするテレビ番組を放送すると、多数のクレームが寄せられるそうです。クレームを言っている人は、この国でどれだけの食べ物が破棄されているのかご存知だろうか。5分でわかる食糧問題によると「私たちは年間 5500万トンの食糧を輸入しながら、1800万トンも捨てています。」と書かれています。結局、テレビも「何も知らない大衆の国民」をターゲットとしたコンテンツしか残っていないわけです。

大衆が政治に対する意識を持ち、一人ひとりが変わっていくことでしか、日本という国が変わることはないのです。
今の政治を選択してきたのはやはり国民自身です。わかりやすいワンフレーズばかりを並べる政治家を選んだり、バラ撒き政策に目を奪われたり、あるいは政治家をタレントのように見てきた我々の責任なのです。
政治家を頼りにするのは辞めよう 
【大前研一×柳井正】この国を出よ【書評・レビュー】

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