【柳井正さんの言葉】
20代半ばで父から任された会社は、1980年代後半、店舗数も順調に増え、売り上げも大きくなりました。
--中略--
僕は当時、本格的なチェーン展開をしないと生き残れないと判断し、出店スピードも速めたのですが、この際に、日本の税制が「企業の急成長のブレーキ」になっていることに気がついたのです。
当時は、利益の約60%を税金で取られていました。例えば、2年連続で利益が10億円出たとしましょう。まず、この利益から6億円が法人税、事業税、法人住民税などに消えます。そして「予定納税」として、前年度の納税額の1/2に当たる3億円を当年度半ばに納めなければなりませんでした。すると、感覚としては、手元に1億円しか残らないという計算になります。
出店スピードを上げようという時に、納税に追われて、なかなか成長することができない仕組みなのです。稼ぐことを奨励するどころか、妨げるシステムです。
個人についても同じです。高額所得者の税率は、所得税40%と住民税10%の合計50%です。
では、なぜお金持ちの税率が高いとまずいのか?それは、「稼ぐ力」を持っている人が、税率の低い他の国へ出て行ってしまう可能性があるからです。そうなると、日本人の雇用や財政は失われ、どんどん空洞化してしまう一方です。「金持ちから取れ」では不味いんです。
経済的な豊かさは、国民の幸福度に大きく影響します。それが全てではありませんが、とても重要な要素の1つです。日本が今、これだけ豊かな国でいられるのは、HONDAの創設者、本田宗一郎氏や、SONYの創設者、盛田昭夫氏、井深大氏、またパナソニックの創設者である松下幸之助氏らなど数々の経営者が、世界的な商品やサービスを作り続けてきたからなのです。
会社からお給料をもらっている方は多いと思います。商品やサービスを作るためには、人を雇わなければいけません。そうして企業というのは数々の雇用を守ってきた上に、海外に商品やサービスを販売することで、日本にはたくさんのお金が流れこんできたわけです。法人税の首を絞めて良いことなど1つもありません。
しかし、現状の日本はどうでしょう?海外には人件費の安い国がたくさんあるので、雇用は全て海外に流れていってしまいます。日本で起業した人さえも海外の人を雇うのが当たり前の時代になってしまってしまいました。
そもそも日本で起業家は増えているのでしょうか。今有名な企業と言えば、グーグルやアップル、またはフェイスブックなど全てアメリカの会社の名前ばかり上がります。
なぜ、日本では企業が減っていくのでしょうか。1つは”コストがかかる”です。先程も申し上げました通り、日本は法人税の高い国です。日本で起業するメリットは少ないのです。ガンホーがフィンランドに本社移転を検討しているのも当然と言えますね。
じゃぁ低所得者から取るのか?
そういうわけではありません。仕事に就けない人には最低限の生活保障はするべきですし、就活支援も行うべきです。だから、累進課税と、所得税、法人税事業税、法人住民税を廃止し、消費税のみにするべきです。そうすれば公平です。
最後に
【マーガレット・サッチャー元英国首相の言葉】
金持ちを貧乏人にしたところで、貧乏人が金持ちになるわけではない【大前研一×柳井正】この国を出よ【書評・レビュー】
0 件のコメント:
コメントを投稿