2014年1月25日土曜日

日本の教育では新しいビジネスのアイデアは生まれないたった1つの理由

【大前研一さんの言葉】

ほとんどの人は、いまだに世の中のことをニュートン力学で考えている。ところが実際には、経済そのものはリンゴではなく、葉っぱがどこに落ちるかという複雑系に入っている。だからほとんどの問題に答えがない。

こうした状況で学校の果たすべき役割は、答えがないときにどうするかという「考える癖」をつけさせることだ。解のない問題に対して、なぜなのかを考えて自分なりの仮説を立て、それが正しいかどうかを努力に厭わずに証明する。子どもたちがこの力を持てば万々歳だ。なぜならこの力を持った人間は1年間で97%儲けるチャンスが広がるが、ニュートン力学の考え方の人間は、年利0.1%そこそこの定期預金に入れておくのが精一杯だからである。

ところが今の日本では、学校そのものが人間の脳の本来持つ創造性を壊す凶器になってしまっている。新しい時代になっているのに、役に立たない古い時代の価値観を刷り込むのだから、脳の破壊以外のなにものでもない。

さらに社会に出てからも、「会社に入ったら先輩の言うことを聞け」とばかりに、古い社員が出てきて「当社では」と言って教育を始める。せっかくその組織に毒されていない人間が入ってきているのに、古い仕事のやり方を教えるのだから、新しいビジネスの発想など生まれてくるはずもない。だから私は、逆に「新入社員に古い社員の教育をやらせたほうがいい」と言っている。そのほうがはるかに会社のためだと思うからだ。
【大前研一】考える技術【書評・レビュー】

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