2014年1月26日日曜日

住宅ローンの恐怖

【大前研一さんの言葉】 
もし、あなたが、1991年から96年ぐらいまでに家やマンションを買っていたとしたら、毎日が吐息の日々のはずです。

たとえば、今42歳のAさんの場合、こんな感じです。94年、都内に勤務するAさんは、35年のローンを組んで、6千万円もするマンションを買いました。会社までの通気時間は1時間20分ぐらい。マイホームはうれしいけれど、ちょっと遠くて疲れます。

ところが、98年頃になると行き帰りの電車の窓から見ると、通勤1時間以内のところに4千万円で新築マンションが売りに出されているではありませんか。しかも今の自分の家より広いのです。で、お父さんは「お母さん、こっちの方が良さそうだよ」と言って銀行に相談します。

都銀などでは、新しい不動産を買う時にそれ以前のローンを立て替え返済してくれる「乗り換えローン」というのを出しているので、それを利用して買い換えようというわけです。ところが実際には、買い換えられません。なぜでしょうか。6千万円で買ったマンションが、銀行に評価してもらうと「2千800万円です」と言われてしまったからです。

一世一代の買い物が、ほんの数年のうちに半額以下に値下がりしてしまったのです。しかも銀行は、これまでの月々の返済はほとんど利子に食われていて、借りた6千万は計算上まだ500万しか返済していないことになっていると言います。
【大前研一】質問する力【書評・レビュー】

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